区間縮小法の拡張
カテゴリ:微積分
区間縮小法を多次元へと拡張した定理を証明します.
定理10. 有界な閉集合の列において
(1) ,
(2) が限りなく大きいとき,
の径が限りなく小さくなる.
ならば,これらの集合に共通な点がただ一つある.
【証明】
まずから任意の点
を取り出します.
条件(1)より,は
に含まれます.
また,条件(2)よりの距離
はが十分大きければ限りなく0に近づきます.
これは点列がCauchyの収束条件を満たすことを意味します.
よって,定理8より,点列はある点に収束します.
は閉集合
の点
の集積点なので閉集合の定義より
となります.は任意なので,
は
に含まれます.
がただ一つの点となることは,条件(2)から明らかです.
なぜなら,もし二点あるとすれば,
の距離は有限なので条件(2)が成り立たないからです.
以上で証明終了です.
著者:安井 真人(やすい まさと)
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