中間値の定理
カテゴリ:微積分

連続関数にはいくつかたいせつな性質があります。
そのひとつが中間値の定理です。
中間値の定理を以下にかきます。
定理12. 【中間値の定理】
ある区間において連続な関数
がこの区間に属する点において相異なる値
をとるとき、
となる任意の値
において
となるが存在する。
解説
中間値の定理とは簡単にいうと
「連続なら中間地点があるでしょう」
ということです。
「マラソンのさい、走った道のりは連続なので、必ず中間地点が存在する」
というのが中間値の定理です。
いたって当たり前の定理です。では証明します。
証明
そして
とおけば
が成り立ち、において連続となります(右図)。
で連続なので、
のある近傍では
となるような
が存在します(右図)。
なので
には上限があります。
この上限をとします。すると
でなければなりません。
もしなら、
として同じ操作をすれば、
で
となる
が存在します。
これはが上限であることに反します。
もしなら、
の近傍で
となる正数
が存在します。
しかし、区間で
がつねに成り立つことに反します。
よってでなくてはなりません。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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