微分の順序
カテゴリ:微積分
関数をxとyで微分すると
となります。逆に、yとxで微分すると
となります。
よって、
が得られます。
このことは偶然ではなくたいてい成り立ちます。
しかし、すべての関数で成り立つわけでないので注意が必要です。
たとえば
の場合、
となります。よって、
が得られます。これらより
となります。
このことから、
偏微分の順序が重要な関数が少しはある
ということがわかります。
偏微分の順序を変えていい関数かどうかを見分ける定理を紹介します。
定理
ある領域において、が連続ならば、その領域で
が成り立ちます。
証明
ある点を考えます。
そして
とします。
とおくと
となり、
が得られます。ここで平均値の定理を使うと
となります。ここでです。
仮定より、は連続なので
が得られます。同様にして
なので
となり証明終了です。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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