一次元での積分
カテゴリ:微積分
これまでの内容はn次元でしたが、1次元の積分をよく使うので1次元の積分に焦点をしぼります。
定義
まず積分の定義はn次元の定義を1次元で述べればよく、
閉区間での関数
の積分を
とかきます。この値は以下のように定義します。
まず、閉区間を任意にで分割して、分割した閉区間
内の点を
とします。
また、分割した閉区間の中で、長さの最大値を
とします。
そして
と定義します。これを関数の閉区間
での定積分といいます。
練習
ためしに
を計算してみます。まず、閉区間を
で分割します。そして、
とします。すると
となります。ここで、公式
を利用すれば
が得られます。
ここで注意ですが、収束値が計算からわかりましたが、もしかしたら分割法を変えたら収束しないかもしれません。
ですから、以上の計算では積分値がとなることをいいきることはできません。
「連続関数は積分可能である」という定理を使ってはじめていいきることができます。
積分の性質
(1)加法性
が成り立ちます。これを積分の加法性といいます。
(2)線形性
を積分の線形性といいます。
(3)単調性
閉区間で関数
が積分可能で
ならば
が成り立ちます。
(4)絶対値
が成り立ちます。以下に証明を述べます。
まず、
であることと単調性を使えば
より
が得られます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
@yasui_masatoさんをフォロー