平面をベクトルで表記する
カテゴリ:線形代数

前回、直線をベクトルで表記する方法を学びました。実は同様な考え方で平面をベクトルで表記することもできます。ここでは、ベクトルによる平面の表記方法について学びます。
平面のベクトル表記
3次元空間内にある平面をベクトルで表記する方法を考えましょう。まず、以下のような平面と平面
上の任意の点の位置ベクトル
を用意します。
また、平面に平行なベクトル
と、平面
上のある位置ベクトル
を用意します。すると、ベクトル
は
で表記することができます。ここで、は実数で、
に依存して定まります。
があらわす平面を方程式で表記せよ。
変数を消去するだけです。まず、
を
に代入すると
となります。あとは、を消去すれば
が得られます。
法線ベクトル
平面に垂直になるようなベクトルを法線ベクトルといいます。この法線ベクトルの求め方を紹介します。まず、
により記述される平面があったとします。この平面を平行移動して、原点を通るようにすると
となります。さて、これらを
と内積を使って、式変形すると
となります。これは平面と
が垂直であることを意味しています。よって、平面
と
が垂直となります。
の法線ベクトルを求めよ。
が法線ベクトルです。もちろんこれに定数倍したものも正解です。ただし、ゼロベクトルはだめですよ。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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