回転と行列
カテゴリ:線形代数

座標を原点を中心に回転させる場合、ある変換公式が成り立ちます。そして、この変換公式は、行列を使うと簡単に表現できます。ここでは、回転の公式と回転行列について解説します。
ベクトルの回転
以下のように点があります。
そして
というように原点との長さは同じです。また、間の角度は
です。ここで、
とします。すると
となります。つまり以下の定理が成り立ちます。
回転
で、と
の角度を
とすると
が成り立つ。
行列による回転の表記
を
と表記します。この
を行列といいます。
とすれば
とかけます。このことから、行列とベクトルの積は
となります。
行列の性質
上記の行列とベクトルの積の定義から以下の定理を導くことができます。
線形性
をベクトル、
を行列、
を実数とすれば
が成り立つ。これを線形性という。
まず、
とおきます。すると、
より
が成り立ちます。一方、
なので
が得られます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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