有限・無限次元のベクトル空間
カテゴリ:線形代数

ベクトル空間の次元が有限かどうかについて考えます。
はじめに、有限・無限次元のベクトル空間の定義を紹介します。
有限次元と無限次元
ベクトル空間の任意のベクトルが、
の有限個の線形結合で表されるとき、
は有限次元であるといいます。
有限次元でない場合には、は無限次元であるといいます。
有限次元の例としては、平面上のベクトルがあげられます。
平面上のベクトルはすべて
の線形結合
で表すことができます。よって、平面上のベクトルの集合は有限次元なベクトル空間です。
連続関数全体の集合は無限次元のベクトル空間です。
このことを証明してみましょう。
【ベクトル空間であること】
ベクトル空間であることを証明します。
ベクトル空間って何?という方は
を読んで定義を復習しましょう。
関数の足し算とスカラー倍を
とします。すると、
結合法則:
交換法則:
が成り立ちます。また、零ベクトルもすべてので
となる関数すれば、すべての関数に対して
が成り立ちます。の逆ベクトルも
とすればいいことがわかります。
さらにスカラー倍に関しても
が成り立ちます。よって、連続関数全体の集合はベクトル空間となります。
【無限次元であること】
実際に、は線形独立です。
よって、無限次元となります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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